「インフォームド・コンセント」という長いカタカナ用語が医療・病院の現場や世間一般で使われ始めて10余年ほどたちましたが、果たして「インフォームド。コンセント」が正しく日本社会に受け入れられているかは甚だ疑問です。この「インフォームド・コンセント」はアメリカ由来の言葉ですが、日本語では「説明と同意」と訳されています。簡単に言えば、医師は患者に病気について十分な説明をして、同意を得てから医療行為を行うということになります。
日本では医師を「先生」と呼び、尊敬される職業です。もちろん、世界中で医師は尊敬される職業の一つでありますが、日本で医師が尊称で呼ばれるのは日本人の「お蔭」という言葉に代表される生活様式から当然なのかもしれません。しかし、先生と呼ばれる医師と自由な意見交換をすることに、患者は躊躇う、という意識が日本人には石を尊敬するあまり強すぎると思われることも少なくありません。医師の説明をただ静かに聞くだけで、質問をすることに抵抗感を持つ患者はまだまだ多いのがにほんの医療・病院の現実です。
また、医師も多くの患者を診なければならないために、一人の患者に時間を割くわけにもゆかずにカルテに記載された検査データをみて、必要最小限の言葉で患者に説明するのが今も一般的な治療風景なのではないでしょうか。ゆっくり説明しようにもその時間が取れないのです。一生懸命質問しても、医師は簡単な説明しかせずに、医師は私の苦しみを分かってくれない、と医療・病院に対して不満を持っている人が多いのが現状ではないでしょか。